
注文住宅で吹き抜けを希望する時の注意点とは?後悔しないように事前にポイントを知っておこう!
注文住宅で「吹き抜け」を採用したいと考える方は多いでしょう。開放感のある空間、美しいデザイン、光の取り入れやすさ――その魅力は多くの人を惹きつけます。しかしその一方で、実際に住み始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうケースも少なくありません。
この記事では、吹き抜けを取り入れた注文住宅を建てる際に注意すべきポイントを、実例や専門家の視点をもとに詳しく解説します。後悔のない家づくりをするために、ぜひ参考にしてください。
目次
吹き抜けのメリットと魅力
開放感のあるデザインが叶う
吹き抜けの最大の魅力は、なんといってもその「開放感」です。天井が高くなることで、空間が広々と感じられ、同じ床面積の家でも圧迫感がありません。
特にリビングに吹き抜けを取り入れると、来客の第一印象も良くなります。モデルハウスでもよく採用される理由は、視覚的なインパクトがあるからです。
自然光をたっぷり取り込める
吹き抜けにすることで高い位置に窓を設置でき、そこから自然光を取り込めるため、昼間は照明をつけなくても明るく過ごせます。特に南向きの窓と組み合わせると、冬でも暖かさを感じることができます。
家族の気配を感じやすくなる
上下階がつながることで、2階にいる家族の声や足音が自然と伝わります。これは「コミュニケーションが取りやすくなる」という面でプラスに働きます。
吹き抜けのデメリットとその対策
冷暖房の効率が悪くなる可能性がある
吹き抜けのある家では、空間が縦に広がる分、空気が循環しづらく、特に冬場は暖かい空気が上に逃げてしまいがちです。そのため、エアコンだけでは暖房効率が悪くなり、「足元が寒い」と感じることがあります。
対策方法
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天井ファン(シーリングファン)を設置する
空気の循環を促すことで、暖気を足元に戻す役割を果たします。 -
高断熱・高気密の家にする
吹き抜けを採用するなら、断熱性能の高い住宅設計が不可欠です。 -
床暖房を導入する
足元から直接暖める方式で、吹き抜けのデメリットを補えます。
音が響きやすくなる
吹き抜けは音が上下階に抜けやすく、テレビの音や会話が2階に響くこともあります。特に在宅勤務などで「静かな環境が欲しい」場合は不向きかもしれません。
対策方法
-
吸音材を取り入れる
カーテンやラグ、布製の家具を多用することで音の反響を抑えることができます。 -
間取りを工夫する
子ども部屋や書斎など、静かに過ごしたい部屋は吹き抜けから離れた位置に配置しましょう。
2階の床面積が減る
吹き抜け部分は床がないため、2階の部屋数や広さが限られる場合があります。家全体の延床面積をどれだけ確保できるかによって、吹き抜けの採用が現実的かどうかが決まります。
検討すべきポイント
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部屋数と優先順位を明確にする
-
収納スペースが十分に確保できるか確認する
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将来的な家族構成を見越して設計する
実際の後悔ポイントとその理由
吹き抜けを採用した人のリアルな声
後悔した理由トップ3
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冬が寒くて光熱費がかさむ
→ 計画段階で断熱と暖房の設計を怠ったケースが多い。 -
掃除がしにくい
→ 高い窓や照明にホコリがたまりやすく、日常的に掃除が困難。 -
音の問題
→ 家族の生活音が気になり、プライバシーの確保が難しい。
成功した事例に学ぶ
一方で「吹き抜けを取り入れてよかった!」という声も多くあります。成功例では、以下のような工夫がされています。
-
高断熱仕様+床暖房の併用で快適な室内環境を実現
-
シーリングファンの導入で空気の流れをコントロール
-
上部窓に電動ロールカーテンを設置して日差しを調整
設計段階で検討すべきチェックポイント
建築士や設計士との入念な打ち合わせ
吹き抜けは家の構造そのものに関わるため、設計段階からの綿密な打ち合わせが欠かせません。構造の強度、安全性、冷暖房計画、採光計画など、専門家としっかり話し合いましょう。
メンテナンス性も考慮する
忘れがちなメンテナンスポイント
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高窓の掃除方法
専用の長いモップが必要、または業者に依頼が必要になる場合も。 -
照明の交換
脚立で届かない高さの照明は、電動昇降式にするのがおすすめ。 -
シーリングファンの掃除
回転部分にホコリが溜まりやすく、定期的な掃除が不可欠。
吹き抜けを検討する前に考えたいライフスタイルの視点
小さな子どもがいる家庭の場合
子育て世代にとって吹き抜けは「子どもの声や様子がすぐわかる」というメリットもありますが、転落事故のリスクには注意が必要です。2階部分に柵や転落防止ネットを設置するなど、安全面の配慮を忘れずに。
ペットとの暮らしを想定している場合
ペットの鳴き声が上下階に響きやすいため、音の遮断が気になる場合は注意が必要です。また、ペットの毛がファンの気流で舞いやすくなることもあります。
将来のメンテナンス費用も想定しておく
家は一度建てたら終わりではありません。長く住み続けるためには、メンテナンスや修繕のしやすさも大切です。吹き抜けを採用することで、外部業者の手を借りる頻度が増える可能性もあります。
吹き抜けの代替案も検討してみよう
スキップフロアという選択肢
吹き抜けと同様に開放感を得られる設計として「スキップフロア」も人気です。床の高さを変えることで視線が抜け、立体的な空間づくりが可能です。
高天井にして上部のみ開放
「完全な吹き抜け」にこだわらず、天井を高くするだけでも十分な解放感が得られます。部分的な吹き抜けとすることで冷暖房効率や音の問題も軽減されます。
吹き抜けを取り入れるか迷った時の判断基準
チェックリストで自己判断してみよう
以下の質問に「YES」が多ければ、吹き抜けが合っている可能性が高いです。
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明るさ・開放感を重視している
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音の問題にはあまり敏感ではない
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高所の掃除やメンテナンスに抵抗がない
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家族との距離感を大切にしたい
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十分な暖房対策を施す予算がある
逆に、静けさやメンテナンス性を重視する方、コンパクトな家を希望する方には、別のプランを検討するのがおすすめです。
吹き抜けは計画と対策次第で大きな魅力に
吹き抜けのある注文住宅は、設計の工夫や生活スタイルに合わせた対策をすることで、快適で魅力的な住空間になります。しかし、事前の情報収集や設計段階でのシミュレーションを怠ると、後悔につながる可能性も。
ポイントを押さえて慎重に検討すれば、後悔のない理想の住まいに一歩近づけるはずです。理想の家づくりに向けて、ぜひこの記事を参考に、計画を深めてみてください。

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