「構造見学会」に行くべき3つの理由|完成見学会だけでは分からない家の寿命
目次
この記事の要約
家づくりにおいて、多くの方が楽しみにしているのが、綺麗なキッチンや広々としたリビングが見られる「完成見学会」です。しかし、プロの視点から断言します。本当に見るべきは、完成したら二度と見えなくなる「構造見学会」です。
なぜなら、家の寿命、耐震性、そして青梅の厳しい冬を快適に過ごせるかどうかは、すべて「壁の中」で決まるからです。クロスや設備といった「化粧」をする前の「素肌」の状態を見ることでしか、その工務店が本当に信頼できるかは判断できません。
この記事では、八幡がなぜ構造見学会を重要視しているのか、そして一般のお客様が現場でチェックすべきポイントを解説します。
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真実: 家の性能(暖かさ・寿命)の9割は、壁や天井の中に隠れている。
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リスク: 完成見学会だけでは、断熱材の施工ミスや構造の欠陥には気づけない。
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理由1: 「施工精度」を確認する。断熱材の隙間が、家の腐食(内部結露)の原因になる。
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理由2: 「耐震の要」を確認する。図面通りの金物が正しく取り付けられているかを見る。
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理由3: 「職人の質」を確認する。現場の清掃状況は、施工品質と直結する。
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結論: 構造見学会を堂々と開催している工務店は、施工に絶対の自信がある証拠。
家は「完成形」よりも「中身」で選ぶべき理由
家づくりを「結婚」に例えるなら、完成見学会は「結婚式」、構造見学会は「健康診断」や「日常生活」のようなものです。 ドレスアップした華やかな姿(完成した家)は誰でも美しく見えますが、そのパートナーと50年、60年と長く連れ添うためには、身体が丈夫か(構造)、性格は誠実か(施工品質)を知ることの方が遥かに重要です。
特に、青梅市のような冬の寒さが厳しく湿気の多い地域では、家の「中身」の良し悪しが、住み始めてからの「光熱費」「メンテナンス費」「家族の健康」に直結します。 完成してからでは隠れてしまう部分にこそ、その家の「寿命」を決定づける要素が詰まっているのです。
完成見学会で見えるもの、見えないもの
完成見学会(オープンハウス)で見えるのは、以下の要素です。
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間取りの使い勝手
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内装のデザイン、クロスの色
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キッチンのグレード、収納の量
これらはもちろん大切ですが、あくまで「暮らしやすさ」や「見た目」の要素です。 一方で、構造見学会で見えるのは以下の要素です。
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家の頑丈さ(柱・梁・金物)
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家の暖かさの根拠(断熱材・気密シート)
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家の寿命(通気層・防腐処理)
デザインは後からリフォームで変えられますが、構造や断熱は、一度建ててしまうと、壁をすべて壊さない限りやり直しがききません。だからこそ、契約前や建築中にここを確認することが不可欠なのです。
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理由1:断熱材の「隙間」は家の寿命を縮める病原菌

構造見学会に行くべき最大の理由は、「断熱材が正しく施工されているか」を確認するためです。 カタログに「高性能な断熱材を使用」と書いてあっても、それが現場で隙間だらけに詰め込まれていたら、何の意味もありません。
性能は「素材」ではなく「施工」で決まる
「UA値0.46」や「断熱等級6」といった数値は、設計上の計算値です。この数値を絵に描いた餅にしないためには、大工の緻密な施工が必要です。 構造見学会では、以下のポイントをご自身の目で確認できます。
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コンセントボックス周り: 断熱材をただ押し込むだけでなく、ボックスの裏側まで丁寧に詰められているか。
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筋交い(すじかい)周り: 複雑な形状の部分に合わせて、断熱材がカットされ、隙間なく充填されているか。
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柱と断熱材の間: 数ミリの隙間もないか。
もしここで隙間があれば、そこから熱が逃げるだけでなく、「内部結露」が発生します。 青梅の冬、暖房した室内の湿気がその隙間に入り込み、冷たい外気で冷やされて壁の中で水滴になります。これがカビを呼び、柱を腐らせ、シロアリを呼び寄せます。 「綺麗な断熱施工」は「家の長寿命化」そのものなのです。
気密シートと気密テープの処理
高気密住宅に欠かせないのが、室内の湿気を壁に入れないための「防湿気密シート」です。 構造見学会では、このシートが丁寧に貼られているか、継ぎ目が専用の気密テープでしっかりと留められているかを確認できます。 雑な現場では、シートが破れたまま放置されていたり、テープが浮いていたりします。これでは高気密住宅とは呼べません。この「テープ一本の貼り方」に、工務店の姿勢が現れます。
理由2:耐震等級3の強さを支える「金物」の真実
地震大国日本において、「耐震等級3(最高等級)」は必須条件となりつつあります。しかし、設計図面で耐震等級3を取得していても、現場でその通りに作られていなければ、地震が来た時に家は倒壊します。
柱と梁をつなぐ「構造金物」
木造住宅では、木と木をつなぐ「金物(かなもの)」が非常に重要です。 構造見学会では、柱の根元や梁の接合部に、指定された金物がしっかりと取り付けられているかを確認できます。
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ボルトの締め忘れはないか?
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金物が木材にめり込みすぎていないか?
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ビスの本数は足りているか?
これらは、壁(石膏ボード)を貼ってしまえば永遠に見えなくなります。 八幡では全棟で構造計算を行い、どの場所にどの金物を使うかが厳密に決まっています。構造見学会では、その図面と実際の現場を照らし合わせながらご説明しています。
基礎と土台の接合
家の重さを支える「基礎」と、木の骨組みである「土台」をつなぐアンカーボルトの位置や施工状態も見ることができます。 基礎のコンクリートにひび割れ(ジャンカ)がないか、土台の木材(ヒノキなど)が健全な状態か。これらは家の足腰にあたる最も重要な部分です。
理由3:現場の「汚れ」は心の乱れ、施工ミスの温床
3つ目の理由は、少し精神的な話に聞こえるかもしれませんが、実は最も合理的で分かりやすい指標です。それは「現場の整理整頓(クリーネス)」です。
良い家が建つ現場は、必ず「綺麗」である
私たちプロが他社の現場を見る時、まず最初に見るのは構造ではなく「ゴミ箱」と「掃除用具」です。 腕の良い大工、誇りを持って仕事をしている職人の現場は、常に整理整頓されています。
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木くずやゴミが散乱していないか?
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道具や資材が整然と並べられているか?
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断熱材や木材が雨に濡れないよう養生(ようじょう)されているか?
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現場内での喫煙や飲食のマナーは守られているか?
足の踏み場もないような散らかった現場では、集中力が削がれ、必ず施工ミスが起きます。大切なビスを落としても気づかなかったり、傷をつけてもそのままにしたりします。 「神は細部に宿る」と言いますが、構造見学会で現場が綺麗であれば、見えない部分の施工も丁寧である確率が非常に高いです。逆に、現場が汚い工務店で高性能な家が建つことは、まずありません。
構造見学会でチェックすべき「プロの視点」チェックリスト

いざ構造見学会に参加した際、どこを見れば良いのか分からないという方のために、素人の方でも分かるチェックポイントをまとめました。スマホにメモして持参してください。
【断熱・気密編】
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断熱材のカット: 柱や配線の間に隙間なく、パズルのようにピッタリとハマっているか。
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気密テープの処理: シートの継ぎ目や窓周りに貼られたテープに、シワや浮きがないか。
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貫通部: エアコンの配管や電気配線が壁を貫通する穴が、ウレタンやパテで埋められているか。
【構造・木材編】
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木材の状態: 柱や梁に雨染みやカビが発生していないか。
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金物の取り付け: 金物が浮いていたり、ナットが緩んでいたりしないか。
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床下の清掃: 床下を覗き込んだ時、木くずやゴミが落ちていないか。
【現場環境編】
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資材の保管: 出番待ちの木材や断熱材が、ブルーシート等で雨から守られているか。
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挨拶: 現場にいる職人やスタッフが、気持ちよく挨拶をしてくれるか(マナーの良い職人は腕も良い傾向にあります)。
Q&A|構造見学会に関するよくある不安
初めて構造見学会に参加される方が抱く疑問にお答えします。
専門知識がない素人が見に行っても、何も分からないのではないでしょうか?
A. 大丈夫です。むしろ「直感」を大切にしてください。 構造の専門的なことはスタッフが分かりやすく解説します。お客様に大切にしていただきたいのは、「現場の雰囲気」です。「丁寧に仕事をしているな」「整理整頓されているな」「なんか涼しい/暖かいな」といった肌感覚は、意外なほど当たります。 また、八幡の構造見学会では、模型やサーモグラフィカメラなどを使い、目に見えない性能を可視化してご説明しています。
小さな子供を連れて行っても大丈夫ですか?
A. 基本的には歓迎ですが、安全のため抱っこや手をつなぐ等の配慮をお願いします。 完成した家とは違い、柱や釘、段差などが露出している状態です。お子様が走り回ると怪我をする恐れがあります。 キッズスペースを用意している場合や、交代でスタッフがお子様を見守ることも可能ですので、ご予約の際にお気軽にご相談ください。
構造見学会に行くと、しつこく営業されませんか?
A. 八幡では、強引な営業は一切いたしません。 構造見学会は、私たちの「仕事の流儀」を見ていただく場であり、売り込む場ではないと考えています。 自信があるからこそ、ありのままの中身をお見せしています。「この品質なら任せられる」と納得していただいたお客様とだけ、次のステップへ進ませていただきたいと考えています。
冬や夏に行くと、エアコンがないから辛くないですか?
A. それこそが、高性能住宅を体感するチャンスです。 構造段階ではまだエアコンが設置されていないことが多いですが、高気密・高断熱の家は、この段階ですでに外気との違いを感じられます。 真冬の構造見学会でも、「玄関を入った瞬間、風が止まったように感じる」「ストーブ1つで意外と暖かい」といった感想をよくいただきます。断熱材の威力を肌で感じる絶好の機会です。
まとめ|「壁の中」を見せる工務店は、嘘をつかない
家づくりで後悔する人の多くは、「住んでみたら寒かった」「結露がひどい」「思ったより光熱費がかかる」といった、目に見えない性能のトラブルを抱えています。 これらはすべて、完成してからは見えない「構造」に原因があります。
構造見学会を開催するということは、その工務店が「自分の仕事に嘘をついていない」「手抜きをしていない」という証明でもあります。見せられないような雑な仕事をしている会社は、構造見学会を開きません(あるいは、開いても見せられる場所を限定します)。
あなたの家づくりの基準を変える体験を
八幡では、青梅の気候に合わせた「高性能住宅」を作っています。 綺麗なカタログやモデルハウスを見る前に、まずは一度、私たちの「構造見学会」にお越しください。
大工が一本一本の釘に込めた想い、隙間なく施工された断熱材の美しさ。 それらをご覧いただければ、「なぜ、八幡の家は長持ちするのか」「なぜ、冬でも暖かいのか」その理由が理屈抜きで伝わるはずです。
一生に一度の家づくり。表面的な美しさだけでなく、家族を守る「本質的な強さ」をご自身の目で確かめてください。
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