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無垢材のフローリング掃除は大変?注文住宅で無垢材を採用するメリットとは?
DATE 2025.10.22

無垢材のフローリング掃除は大変?注文住宅で無垢材を採用するメリットとは?

注文住宅を建てるなら、足触りの良い無垢材のフローリングに憧れる。そう考える方は非常に多いのではないでしょうか。天然木だけが持つ温かみ、美しい木目、そして空間全体を上質にしてくれる存在感は、何物にも代えがたい魅力があります。

しかし、その憧れと同時に「無垢材は掃除が大変」「水拭きできないのでは?」「傷やシミがついたらどうしよう」といった、お手入れ(メンテナンス)に関する不安の声を耳にし、採用をためらってはいいませんか?

「無垢材 フローリング 掃除」と検索し、この記事にたどり着いたあなたは、きっと無垢材の魅力と現実的なお手入れ方法の答えを探しているはずです。

結論から言えば、無垢材の掃除は「大変」なのではなく、一般的な合板フローリングとは「特性が違う」だけです。その特性=「無垢材は呼吸する本物の木である」ことを理解し、正しい知識を持って接すれば、お手入れは決して難しくありません。むしろ、手をかけた分だけ美しさが増していく「育てる楽しみ」があります。

この記事では、無垢材フローリングの掃除が本当に大変なのか、日々のお手入れ方法の基本から、注文住宅に採用する圧倒的なメリット、さらには気になる傷やシミの対処法まで、徹底的に解説します。

無垢材フローリングの掃除は「大変」ではなく「コツがいる」

多くの人が「無垢材=お手入れが大変」と感じるのには理由があります。それは、私たちが「一般的なフローリング」として慣れ親しんでいる「合板(複合)フローリング」の掃除方法が基準になっているからです。

なぜ「掃除が大変」というイメージがあるのか?

合板フローリングは、薄くスライスした木材や木目柄の樹脂シートを合板の基材に貼り付け、表面をウレタン樹脂などで強固にコーティングした工業製品です。

表面がプラスチックや樹脂の膜で覆われているため、耐水性が非常に高く、水拭きはもちろん、時には洗剤や化学モップを使っても問題ありません。傷もつきにくく、まさに「メンテナンスフリー」に近い感覚で掃除ができます。

一方、無垢材フローリングは、100%天然木から切り出された一枚板です。特に「オイル塗装」など、木の呼吸を妨げない自然な仕上げ(後述します)の場合、表面に強固な塗膜はありません。

そのため、合板フローリングと同じ感覚で「ビショビショの水拭き」をしたり、「アルカリ性の強力な洗剤」を使ったりすると、水分を吸い込んでシミになったり、木の油分が抜けて毛羽立ったりしてしまいます。

この「合板フローリングと同じ掃除ができない」という点が、「無垢材はデリケートで大変」というイメージにつながっているのです。しかし、裏を返せば、無垢材の特性に合った掃除方法さえ知っていれば、何も怖がることはありません。

合板フローリングと無垢材フローリングの掃除法の違い

まずは、両者の違いを表で明確に理解しましょう。

比較項目 合板フローリング(複合フローリング) 無垢材フローリング(単層フローリング)
主な素材 合板の基材 + 表面に木目シートや薄い木材 100%天然木(単一の木材)
表面処理 ウレタン塗装、樹脂シート(高耐久) オイル塗装、ウレタン塗装、無塗装など
日常の掃除 掃除機、化学モップ、水拭き、洗剤拭きOK 掃除機、乾拭き(固く絞った雑巾は可)
NGな掃除 特になし(スチームクリーナーも可な製品が多い) 水びたしのモップ、スチームクリーナー、強アルカリ性洗剤
耐久性 傷や水に強い(表面が剥がれると修復不可) 傷や水に弱い(しかし修復・研磨が可能)
「大変」の理由 何も考えずに掃除できる 水分や洗剤に気を使う「繊細さ」があるため

注文住宅でこそ知りたい!無垢材を採用する真のメリット

掃除の手間(=特性の理解)を差し引いても、注文住宅で無垢材を採用するメリットは計り知れません。

  • 圧倒的な質感と足触り

    合板フローリングでは決して得られない、本物の木の質感。素足で歩いた時の温かみ、柔らかさ、そして心地よさは無垢材ならではです。冬場、合板フローリングがヒヤッと冷たいのに対し、無垢材は空気を含んでいるため、触れた時の冷たさがありません。

  • 優れた調湿作用

    無垢材は「生きている」ため、室内の湿度に応じて呼吸をします。湿気が多い夏(梅雨)は空気中の水分を吸収し、乾燥する冬は内部の水分を放出します。この「調湿作用」により、室内環境を快適に保ち、カビや結露の発生を抑制する効果が期待できます。

  • 経年美化(エイジング)

    合板フローリングは、新品の状態がピークで、時間とともに「経年劣化」していきます。表面のシートが剥がれたり、色褪せたりします。

    一方、無垢材は時間とともに「経年美化」します。使い込むほどに色合いが深まり、艶(つや)が出て、家族の歴史とともに味わい深い表情に変化していきます。これは「本物」の素材でしか楽しめない価値です。

  • 香りによるリラックス効果

    スギやヒノキ、パインなどの樹種は、フィトンチッドと呼ばれる特有の芳香成分を発します。この香りには、森林浴と同じようなリラックス効果や、自律神経を安定させる効果があると言われています。

  • 修復可能性

    これがメンテナンスにおける最大のメリットです。合板フローリングは、表面が深くえぐれたり、シートが剥がれたりすると、部分的な張り替え以外に修復の方法がありません。しかし無垢材は、表面についた傷ならサンドペーパーで削って補修したり、凹みなら水分と熱で復元させたりすることが可能です(詳しくは後述)。

これらのメリットを享受するためなら、「少しのコツ」を覚えて掃除する価値は十分にあると言えるでしょう。

【基本編】無垢材フローリングの日常的な掃除方法

ここからは、無垢材フローリングの掃除の「具体的な方法」を解説します。基本は「水分を避けること」です。

毎日の「乾拭き」が基本中の基本

無垢材の日常的な掃除は、基本的に「乾拭き」です。ホコリや髪の毛、チリをこまめに取り除くことが、美しさを保つ最大の秘訣です。

使用する道具:

  • フロアワイパー(ドライシート)

    最も手軽で効果的です。ホコリや髪の毛を舞い上げずにキャッチできます。

  • 柔らかい布(マイクロファイバークロスなど)

    乾拭き用の雑巾やクロスで、木目に沿って優しく拭きます。

  • 掃除機

    掃除機を使っても問題ありません。ただし、注意点があります。

掃除機をかける際の注意点:

掃除機のヘッド(吸い込み口)を強く床に押し付けたり、ゴシゴシと激しく往復させたりすると、無垢材(特にパインや杉などの柔らかい木)に細かな傷がつく原因になります。

また、海外製の強力な掃除機によくある「回転ブラシ(ビーターバー)」は、木材の表面を叩いて傷つける可能性があるため、設定を「オフ」にするか、回転ブラシのないフローリング用のヘッドを使用することをおすすめします。優しく、木目に沿ってかけるのがコツです。

汚れが気になるときの「固絞り水拭き」

「無垢材は水拭きNG」とよく言われますが、正確には「ビショビショの水拭きがNG」という意味です。ベタつきや皮脂汚れが気になるときは、「固く絞った雑巾」での水拭きが可能です。

これは無垢材の掃除において最も重要なテクニックです。

「固絞り水拭き」の正しい手順:

  1. ホコリの除去

    まず、掃除機やドライワイパーで、床表面のホコリや髪の毛、砂などを完全に取り除きます。ホコリが残ったまま水拭きをすると、ホコリが水分を含んでダマになり、かえって汚れを広げてしまいます。

  2. 雑巾を2枚用意する

    「水拭き用」と「乾拭き用」の清潔な雑巾を2枚用意します。

  3. 雑巾を「固く」絞る

    バケツにキレイな水を汲み、水拭き用の雑巾を浸します。その後、「もうこれ以上は絞れない」というレベルまで、腕の力で固く、固く絞ります。雑巾を逆さにしても水滴がポタポタと垂れない状態が目安です。

  4. 木目に沿って素早く拭く

    固く絞った雑巾で、必ず「木目に沿って」拭いていきます。ゴシゴシと円を描くように拭くのはNGです。無垢材に水分が浸透するのを防ぐため、一部屋全体を一度にやろうとせず、エリアを決めて「素早く」拭き上げます。

  5. 乾拭きで仕上げる

    ここが最重要ポイントです。水拭きをした箇所が自然乾燥するのを待つのではなく、拭いた直後に、用意しておいた「乾拭き用の雑巾」で残った水分を完全に拭き取ります。

この「水拭き」と「乾拭き」をセットで行うことで、無垢材にダメージを与えることなく、表面の皮脂汚れやベタつきをスッキリさせることができます。

掃除で使う「洗剤」の選び方

水拭きだけでは落ちない汚れがある場合、洗剤を使いたくなりますが、ここで大きな注意点があります。

絶対NGな洗剤:

  • アルカリ性の洗剤(重曹、セスキ炭酸ソーダ、マジックリンなど)

    これらは油汚れに強い反面、無垢材の油分を奪い、木を毛羽立たせたり、変色させたりする原因になります。

  • 食器用洗剤(中性洗剤)

    「中性だから大丈夫」と思いがちですが、洗浄成分が強すぎ、塗装(特にオイル塗装)を落としてしまう可能性があります。

  • 漂白剤、カビキラーなど

    論外です。木材が深刻なダメージを受け、変色・脱色してしまいます。

使用OKな洗剤:

  • 無垢材専用クリーナー

    最も安全で確実です。無垢材の塗装(オイルやウレタン)を傷めないよう調整された、pH(ペーハー)が中性~弱酸性の専用品が販売されています。(例:オスモカラー、リボス、アウロなどの自然塗料メーカーが専用品を出しています)

  • 薄めた中性洗剤(ウレタン塗装の場合のみ、最終手段)

    もしウレタン塗装(後述)の床で、どうしても汚れが落ちない場合は、固く絞った雑巾にごく少量の食器用中性洗剤を含ませて拭き、その後すぐに「水拭き(洗剤を落とすため)」→「乾拭き」を行うことで対処できる場合もありますが、推奨はされません。

基本は「水拭き」まで。それでも落ちない汚れは「専用クリーナー」と覚えましょう。

無垢材の家のメリットやデメリットは?おすすめの無垢材もご紹介!

【定期メンテナンス編】無垢材の美しさを保つ掃除

日常の掃除に加えて、無垢材の美しさを長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが必要です。ただし、その方法はフローリングの「塗装(仕上げ)」によって全く異なります。

無垢材の塗装(仕上げ)によるメンテナンスの違い

注文住宅で無垢材を選ぶ際、必ず「塗装」を選びます。主に「オイル塗装」と「ウレタン塗装」の2種類があり、どちらを選ぶかで掃除やメンテナンスの方法が大きく変わります。

1. オイル塗装(浸透性塗料)

  • 特徴:

    植物性のオイル(亜麻仁油など)を木材の内部に浸透させて保護する方法。表面に膜を作らないため、無垢材本来の質感、足触り、調湿性を最大限に活かせます。最も「木」らしい仕上げです。

  • 掃除:

    基本の乾拭き+固絞り水拭き。水分や油分はシミになりやすいため、こぼしたらすぐに拭き取る必要があります。

  • メンテナンス:

    定期的な「オイル(またはワックス)の塗り足し」が必要です。

2. ウレタン塗装(造膜型塗料)

  • 特徴:

    木材の表面をウレタン樹脂の硬い膜でコーティングする方法。ツヤツヤとした仕上がりになります。

  • 掃除:

    表面が樹脂で覆われているため、耐水性・耐傷性が格段に上がります。合板フローリングに近い感覚で、水拭きも(固絞りが基本ですが)オイル塗装ほど神経質になる必要はありません。

  • メンテナンス:

    オイルの塗り足しやワックスがけは原則「不要」です。

3. その他(ソープフィニッシュ、無塗装など)

  • 北欧家具などに多い石鹸水で仕上げる方法や、全く塗装しない「無塗装」もありますが、これらは汚れに非常に弱く、上級者向けのため、一般的な住宅では上記2つが主流です。

「オイル塗装」のワックス・オイルがけの手順

オイル塗装の床は、人間の肌と同じです。時間とともに油分が抜け、表面がカサカサしてきます。これが汚れや水分が染み込みやすくなる原因です。

頻度: 1年に1回程度(リビングなどよく歩く場所)。寝室などは数年に1回でもOK。

時期: 湿度が低く、乾燥しやすい天気の良い日(春や秋)が最適です。

準備するもの:

  • 無垢材用の保護オイル、またはワックス(床材メーカー推奨品がベスト)

  • ウエス(またはTシャツの切れ端など、毛羽立たないキレイな布)を数枚

  • マスキングテープ(壁や巾木を保護するため)

  • ゴム手袋

手順:

  1. 掃除:

    まずは床を徹底的に掃除します。掃除機でホコリを取り、固絞り水拭きで汚れを落とし、床を「完全に乾燥」させます。

  2. 養生:

    オイルがついてはいけない壁際や巾木、家具の境目などをマスキングテープで保護します。

  3. オイル塗布:

    ウエス(布)にオイルまたはワックスを少量染み込ませます。(※絶対にオイルを床に直接垂らさないでください。ムラの原因になります)

  4. 塗り込み:

    木目に沿って、力を入れすぎず、薄く均一に塗り伸ばしていきます。一度に広範囲を塗ろうとせず、1畳ずつなどエリアを決めて進めます。

  5. 拭き取り(最重要):

    ここが最大のポイントです。オイルを塗ってから5分~15分程度(製品の指示に従う)放置し、オイルが木に浸透したら、必ず「乾いたキレイなウエス」で、余分なオイルを完全に拭き取ります。

    この拭き取りが甘いと、オイルが表面で固まってしまい、いつまでも床がベタベタする最悪の事態を招きます。

  6. 乾燥:

    塗り終わったら、窓を開けて換気し、半日~丸一日、しっかりと乾燥させます。

この作業をすることで、床に撥水性(はっすいせい)が戻り、汚れがつきにくくなります。また、木目が生き生きと蘇り、深い艶が生まれます。

「ウレタン塗装」のワックスは必要?

ウレタン塗装の床は、すでに樹脂の膜で保護されています。そのため、原則としてワックスがけは不要です。

むしろ、市販されている一般的な樹脂ワックス(アクリル系など)を上塗りすると、ウレタンの膜と相性が悪く、将来的にワックスがまだらに剥がれて汚くなったり、逆にワックスを剥がす「剥離作業」で元のウレタン塗装まで痛めてしまったりするリスクがあります。

もし、長年の使用でツヤがなくなってきた場合は、「ウレタン塗装床専用」と明記されたメンテナンス剤を使用するか、専門業者に相談するのが賢明です。

【トラブル対処編】シミ・傷・凹みの掃除と補修

無垢材を使っていて必ず直面するのが「汚れ」や「傷」です。しかし、無垢材の多くは「補修」が可能です。これが合板フローリングにはない大きな強みです。

こぼしてしまった!「シミ・汚れ」の応急処置

無垢材の汚れは、時間との勝負です。

  • 水、お茶、ジュースなど(水性)

    こぼした瞬間に、乾いた布やキッチンペーパーで叩くように吸い取ります。絶対に擦って広げないでください。すぐに吸い取れば、シミになることはほとんどありません。

  • 油、ソース、ドレッシングなど(油性)

    すぐに乾いた布で油分を吸い取ります。その後、固く絞った雑巾に「無垢材専用クリーナー」を少量つけて、油汚れを叩くように拭き取ります。最後に水拭き(クリーナー成分除去)→乾拭きで仕上げます。

頑固な「黒ずみ・水シミ」の落とし方

もし対処が遅れてシミになってしまった場合、特に「オイル塗装」の床であれば諦めるのは早いです。

原因:

水シミの多くは、水分が木材内部のタンニンなどと反応して黒ずんだものです。

対処法(オイル塗装・無塗装の場合):

  1. サンディング(研磨)

    シミができた部分を、木目に沿って優しくサンドペーパー(紙やすり)で削ります。

    最初は少し粗いもの(#180~#240程度)でシミを削り落とし、徐々に細かいもの(#320~#400程度)で表面を滑らかに整えます。

  2. 掃除

    削り終わったら、出てきた木の粉(削りカス)を掃除機でキレイに吸い取ります。

  3. 再塗装

    削った部分は木材がむき出し(無塗装)の状態になっています。そのままでは汚れやすいため、周囲と同じ色の「保護オイル(ワックス)」をウエスで薄く塗り込み、すぐに乾いた布で拭き取って仕上げます。

注意点:

ウレタン塗装の場合、表面を削るとウレタンの膜が剥がれてしまい、その部分だけがマダラになってしまいます。ウレタン塗装の補修は難しいため、専門業者への相談をおすすめします。

やってしまった!「傷・凹み」の補修方法

「傷がつきやすい」ことは無垢材のデメリットとされますが、それは「補修しやすい」ことの裏返しでもあります。

浅い「すり傷」の補修

  • オイル塗装の場合:

    上記の「シミの落とし方」と同様に、傷の周辺を細かいサンドペーパー(#400程度)で木目に沿って軽く研磨し、オイルを擦り込めば、ほとんど目立たなくなります。

  • ウレタン塗装の場合:

    ホームセンターなどで売っている「フローリング用補修ペン(クレヨンタイプ)」で傷を埋め、色を塗るのが一般的です。

衝撃による「凹み傷」の補修

物を落として床が凹んでしまった場合、無垢材(特にパインや杉などの針葉樹)なら魔法のような方法で直せる可能性があります。

「アイロン」を使った凹み補修術(オイル塗装・無塗装向け):

  1. 準備

    凹んだ箇所、水を含ませて固く絞った濡れタオル(または雑巾)、家庭用アイロン(スチーム機能付きが望ましい)を用意します。

  2. 水を染み込ませる

    (省略可ですが)凹んだ箇所に、キリや針などで数カ所、ごく小さな穴を開けると水が浸透しやすくなります。

  3. タオルを置く

    凹んだ箇所の上に、固く絞った濡れタオルを乗せます。

  4. アイロンを当てる

    アイロンを高温(スチームが出る設定)にし、タオルの上から凹んだ部分に「ジュッ」と数秒~数十秒当てます。

    (※当てすぎると焦げるので注意)

  5. 確認

    木材の繊維が水分と熱を吸って膨張し、凹みが元に戻ろうとします。一度で戻らなければ、タオルを冷ましながら数回繰り返します。

  6. 乾燥

    凹みが戻ったら、濡れたタオルを外し、床をしっかりと自然乾燥させます。

※ウレタン塗装の場合、高温のアイロンを当てるとウレタンの膜が溶けたり白く変色したりするリスクがあるため、当て布をするか、温度を中温にするなど、細心の注意が必要です。

掃除の手間を減らす「無垢材の選び方」

注文住宅でこれから無垢材を選ぶ段階であれば、「掃除やメンテナンスの手間」を考慮して樹種や塗装を選ぶことができます。

傷や汚れに強い「樹種」を選ぶ

無垢材には、大きく分けて「広葉樹」と「針葉樹」があり、硬さや特性が異なります。

広葉樹(ハードウッド) vs 針葉樹(ソフトウッド)

種類 主な樹種(例) 特徴 掃除・メンテナンスの観点
広葉樹 (Hardwood) オーク(ナラ)、ウォールナット、チーク、メープル、アッシュ(タモ) 密度が高く、硬い。重厚感がある。木目がはっきりしているものが多い。 傷がつきにくい。 ダイニングチェアの引きずりやペットの爪傷がつきにくいため、日常の気遣いが楽。反面、凹み傷のアイロン補修はしにくい。
針葉樹 (Softwood) パイン(マツ)、スギ(杉)、ヒノキ(檜)、モミ 密度が低く、柔らかい。足触りが温かく、クッション性がある。香りが良い。 傷はつきやすい。 物を落とすとすぐに凹む。しかし、上記のアイロン補修が非常に効きやすい。足腰への負担が少ない。

選び方のヒント:

「お子様が小さい」「ペット(犬)がいる」「家具をよく動かす」など、傷がつくことを最優先で避けたい場合は、広葉樹の「オーク(ナラ)」が最も人気でバランスが良い選択肢です。

「素足での生活がメイン」「冬場の温かさを重視する」「万が一の傷は自分で補修して楽しみたい」という場合は、針葉樹の「パイン」などが向いています。

メンテナンス性を決める「塗装」を選ぶ

前述の通り、掃除・メンテナンス性は塗装方法で決まります。

  • 掃除の手間を最優先したい場合

    「ウレタン塗装」を選びましょう。

    木の質感(足触りや調湿性)はオイル塗装に劣りますが、耐水性・耐傷性は格段に上です。合板フローリングに近い感覚で掃除ができ、定期的なオイルメンテナンスも不要です。特にキッチンや洗面所、小さなお子様のいるご家庭で選ばれることが多いです。

  • 無垢材の質感やメリットを最大限に楽しみたい場合

    「オイル塗装」を選びましょう。

    水分や汚れには気を使う必要があり、定期的なオイルメンテナンスの手間はかかります。しかし、それ以上に「本物の木の質感」「調湿作用」「自分で補修できる楽しみ」といったメリットを享受できます。

どちらが良い・悪いではなく、「ご自身のライフスタイル」や「掃除にかけられる手間」を天秤にかけて選ぶことが、採用後の満足度につながります。

無垢材フローリングと長く付き合うための注意点

最後に、無垢材の掃除やメンテナンスにおいて「絶対にやってはいけないこと」や、知っておくべき「木の特性」について解説します。

やってはいけない!NG掃除法ワースト3

これらを行うと、無垢材に深刻なダメージを与え、取り返しのつかないことになる可能性があります。

1. スチームクリーナーの使用

高温の蒸気(スチーム)は、無垢材の最大の敵です。高温多湿の状態を強制的に作り出すため、木材が急激に膨張し、反り、割れ、シミの最大の原因となります。ウレタン塗装であっても、膜の隙間から蒸気が入り込むため、絶対に使用しないでください。

2. 水の放置

「こぼしたらすぐ拭く」は鉄則ですが、見落としがちなのが「常時水気がある場所」です。

  • 観葉植物の植木鉢の受け皿

  • ペットの水飲みボウル

  • キッチンマットや玄関マットの「下」

  • 結露する窓際

これらは常に湿気がこもりやすく、気づいた時には床が黒ずんでいたり、カビが生えたりしています。植木鉢の受け皿は床に直置きせず、キャスター付きの台に乗せるなどして、こまめに動かして換気できるように工夫しましょう。

3. 強力な粘着テープの使用

カーペットを固定するための両面テープや、お掃除ロボットが引っかからないように段差を埋めるガムテープなど、強力な粘着テープを無垢材に貼るのは危険です。

テープを剥がす際に、塗装(オイルやウレタン)だけでなく、木材の表面(ささくれ)まで一緒に剥がしてしまう可能性があります。何かを固定する場合は、跡が残りにくい「養生テープ(マスキングテープ)」を使用してください。

無垢材の「反り」や「隙間」との付き合い方

無垢材を採用すると、冬場に「板と板の間に隙間が空いてきた」という現象が起こることがあります。これは、無垢材が「呼吸」している証拠であり、欠陥ではありません。

  • 梅雨〜夏(高湿度)

    無垢材が空気中の水分を吸って「膨張」します。

    → 隙間が埋まり、場合によっては少し押し合って盛り上がる(突き上げ)こともあります。

  • 冬(低湿度・暖房)

    無垢材が内部の水分を放出して「収縮」します。

    → 板と板の間に隙間ができます(特に暖房を使うと顕著です)。

これは自然素材である以上、避けられない特性です。この隙間にホコリが溜まるのが気になるかもしれませんが、それも無垢材の個性として受け入れる必要があります。

この伸縮を最小限に抑えるコツは、「加湿器や除స్తా器を使い、室内の湿度を年間通じて一定(40%〜60%程度)に保つ努力をすること」です。これが、無垢材の反りや割れを防ぐ最も効果的なメンテナンスとなります。

まとめ・総括

無垢材のフローリング掃除は、決して「大変」なのではなく、「正しい知識とコツ」が必要なだけです。

「水分とアルカリ性洗剤、スチームクリーナーを避け、基本は乾拭き。時々、固絞り水拭き」

これを守るだけで、無垢材は決して扱いにくい素材ではありません。むしろ、合板フローリングでは不可能な「傷や凹みの補修」ができ、手をかければかけるほど美しくなる「経年美化」を楽しめます。

注文住宅という大きな買い物だからこそ、目先の掃除の手間だけでなく、10年後、20年後に感じる「本物の木の価値」に目を向けてみてはいかがでしょうか。

ぜひ正しい掃除方法とメンテナンスをマスターし、注文住宅で憧れの無垢材ライフを手に入れてください。

青梅市で注文住宅を建てるなら、地元密着で評判の工務店「八幡」もおすすめです。創業以来30年以上の老舗で、自然素材を使った家づくりや、高気密・高断熱住宅に強みがあります。青梅市内の施工実績も豊富で、地域の暮らしに寄り添った提案ができる工務店です。



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