
expanded polystyrene(EPS)とは?建築ではどのように利用される?
Expanded Polystyrene(EPS)、日本では一般に発泡スチロールとして知られていますが、その軽量で断熱性に優れた特性から建築業界で広く利用されています。この記事では、EPSの基本的な性質と建築での利用法について詳しく解説し、そのメリットと注意点を掘り下げます。
目次
EPSの基本特性
1. EPSとは?
EPSは、ポリスチレン樹脂を発泡させて作る軽量のプラスチック材料です。主にビーズ状のポリスチレンを蒸気で加熱し、発泡させることで製造されます。この材料は、空気を約98%含むため非常に軽く、断熱性やクッション性が非常に高いことが特徴です。
2. 製造プロセス
- 前処理: ポリスチレンビーズを事前に膨張させ、一定期間安定させます。
- 発泡: 特殊な機械を使って、ビーズをさらに加熱し膨張させます。
- 成形: 発泡したビーズを型に入れ、冷却して固めることで製品の形を作ります。
建築での利用法
1. 断熱材としての利用
EPSの最も一般的な利用法は、断熱材としてです。その優れた断熱性能により、住宅やビルの壁、屋根、床に用いられ、エネルギー効率の向上に寄与します。
2. 軽量コンクリートの成分
EPSは軽量コンクリートの製造にも使用されます。EPSビーズをコンクリートに混ぜることで、重量を軽減しつつ、断熱性や耐震性を高める効果があります。
3. 防水層としての応用
EPSは水を吸収しにくい性質があるため、屋上やバルコニーの防水層としても利用されます。これにより、建物の耐久性と機能性が向上します。
EPSのメリット
1. 優れた断熱性能
EPSの断熱性能はその構造から来るもので、冷暖房のエネルギーコストを大幅に削減します。
2. 軽量で取り扱いやすい
非常に軽量であるため、建築現場での取り扱いが容易で、施工コストの削減にもつながります。
3. 環境への配慮
EPSはリサイクルが可能であり、環境負荷の低減が期待されています。
EPSのデメリット
1. 火災時のリスク
EPSは可燃性の材料であるため、火災時には燃焼しやすく、有毒ガスを発生させる可能性があります。適切な防火措置が必要です。
2. 紫外線による劣化
長期間の紫外線暴露により、EPSは黄変や劣化を起こすことがあります。これを防ぐために、保護層の設置が推奨されます。
EPSの意外な利用法
EPSは、その軽さと断熱性を活かして、冷蔵品の輸送容器や浮力体など、建築以外の分野でも広く利用されています。また、一部のアートインスタレーションでは、この素材のユニークなテクスチャと形状を生かした展示も行われています。
まとめ
EPSはその多様な利用法と経済性から、現代建築において欠かせない材料の一つです。そのメリットを最大限に活かしつつ、デメリットを管理することで、より安全で快適な建築環境を実現することができます。

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